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高砂保育園が大切にしていること(遊びや養いたいもの)
2021-06-04
今回は高砂保育園で遊びについてどのように考え、子どもたちのどのような力を養いた
いのか、高砂保育園が何を大切にしているのかについて紹介したいと思います。
高砂保育園では保育室にいろいろな遊びができるよう“あそびコーナー”を設けています。
“おままごとコーナー”や“絵本コーナー”、“ブロックコーナー”、“製作コーナー”などがあります。保育士が子どもたちの遊びを主導するのではなく、子どもたちが主体的に遊んだり、遊び込むための場所や道具、玩具などを用意し、そこで子どもたちがどのような遊びをするのか、どのような遊びを生み出すのかを大切に見守ることをしています。もちろん保育士は子どもたちの遊びを見守るだけではなく、危険なことがないかを見守ったり、何かトラブルがあった時には一人ずつに話を聞いてお互いの思いを受け止めつつ話し合いをして仲直りやどういう言葉や行動が良いのかを子どもたちに伝えたり、遊びが広がるようなヒントやアイディアを加えたり、時に一緒に遊ぶことも楽しみます。子どもたちは遊びを生み出すのが得意です。しかし、変に大人が遊びを主導してしまうと、ある枠に収まった中でだけ遊べたり、誰かに主導してもらわないと遊べなくなってしまいます。それでは子どもたちの空想力や想像力、発想力、創造力を削いでしまうことになりかねません。なので、子どもたちに寄り添うことは大切にしながらも、子どもたちの遊びの様子を見守ったり、子どもたちの言葉や行動からその時の子どもたちの興味やブームを受け取るようにお願いしています。
そのような中で子どもたちが自由に遊んでいますが、それはただ単に遊んでいる、楽しんでいることに留まりません。水を使って遊ぶ、虫を捕まえて観察する、泥遊びをする中で子どもたちは自然に理科や科学のさまざまな分野を学んでいることになります。また、友だちと工夫しながら遊ぶ中で、豊かなコミュニケーション能力が培われていきます。習い事に力を入れたり、学習に力を入れている園もありますが、学びとは机の上だけではなく、もっと広い視野で、いろいろな方法を通して行うものです。また、勉強をするためのワークブックに向き合う時間が長ければ、字や数字を覚えても、その時間に経験できるコミュニケ-ション能力を養う時間が減ったことになります。焦らなくとも、小学校で少しずつ学んでいけば良いのです。
以前、小学校でPTA会長を担っていたため、小学校に出かける機会が多くありました。また、小学校の先生から話を聞く機会も多くありました。その中で目の当たりにしたのは、勉強や運動はできるけど、ある必要なものが欠けている子どもたちの姿でした。それは心が育まれているかどうかです。もちろん、子どもたち一人ひとりには良い部分もあれば苦手な部分もあります。しかし、そのような得意不得意ではなく、小学校進学前の時期にどれくらい愛情を注がれたか、間違ったことを言ったり、間違えた行動をしてしまった時に何がいけなくて、どのような言葉や表現を使ったり、どういう行動をすればよかったのか置き換えてあげたり、教えてあげることが大切です。しかし、その経験が足りないと、簡単に誰かを仲間外れにしたり、友だちの心を簡単に傷つけてしまうことを言ったり、自己中心的な言動をしたりするようになってしまいます。それは、小学校進学前にしっかり大人が関わることで変わっていく部分です。娘が小学校1年生の時、遊んでいる友だちに「入れて!」と言ったら、「予約してないからダメ!」と言われたそうです。いつから子どもたちの遊びにも予約制度が導入されたのだろうとびっくりしました。しかし、おそらくその子は小学校進学前から保育園か幼稚園、認定こども園で予約制度を使って遊んでいたのでしょう。たとえ、勉強や運動ができたとしても、英語を話せたとしても、友だちと仲良くできなければ、その子は小学校で本当に楽しく過ごせていくのだろうか、と思わされます。なので、高砂保育園では、知識の詰め込みや先生が怖い顔をして習い事を教え込むのではなく、子どもたちの主体性を尊重しつつ、惜しみなく愛情を注ぎ、子どもたちの心を育むことを何よりも大切にしています。
もちろん、子どもたちの世界や発想だけでは出会えない世界、遊び、経験もあります。なので、あくまでも教え込むのではなく、子どもたちがいろいろな経験をしたり、いろいろなものに出会う時間として、高砂保育園ではスポーツ教室(年中と年長)、英語クラス(年少~年長)、ダンスクラス(年長)を行っています。
スポーツ教室では、幼稚園でスポーツインストラクター経験のある私(園長)がいろいろな遊びを子どもたちに紹介します。スポーツ教室で知った遊びを自由時間に子どもたちが自主的に行っている姿をよく見かけます。また、自由に遊ぶ中で日頃使わない筋肉もあります。子どもにとって小学校入学までに心だけではなく体も大きく成長します。いろいろな遊びや運動をする中で、子どもたちが体全体を使って遊んだり、いろいろな動きができるように工夫しています。小学校の体育で行う跳び箱や鉄棒、マット、縄跳びなども行っています。また、スポーツを通してルールを守って遊ぶこと、友だちと協力する力も育まれます。
英語は、教え込むのではなく、英語を使って遊び、いつの間に英語を覚えている、という時間になってほしいと思い、数字や色、子どもたちに馴染みのなる物を英語で紹介して、一緒に英語を使って遊びます。英語はアメリカに留学経験(3年半)のある私(園長)が子どもたちと英語で遊んでいます。子どもたちにとって英語に初めて出会うので、そこで英語が難しい、英語は嫌い、と思わないような出会い方を大切にしています。親の思いで英語を早いうちから学ばせようと思っても、子どもにとってそれが負担になり、早々に英語嫌い、英語アレルギーになってしまう子たちを多く見てきました。映画は楽しい、英語が大好き、という思いさえ持ってもらえれば、子どもたちは小学校に進学しても、英語を前向きに学んでくれるはずです。
ダンスでは外部からヒップホップの先生を招いてダンスの練習をしています。みんな初心者ですが、ダンスを1から学び、卒園前にダンス発表会で披露します。リズムの取り方や体の動かし方、クラスのみんなでひとつのダンスを作り上げること、ダンスの先生の話をよく聞くこと、一生懸命に取り組むことなど、ダンスを通して学べることがたくさんあります。ダンスの先生もいつも真剣に子どもたちに向き合ってくださいます。その先生に影響を受け、次第に子どもたちのダンスを踊る表情や姿勢も真剣に変わっていきます。子どもたちにとっては本気で何かに取り組む経験ができるのはとても大きいと思います。
私は常々、保育園の職員に保育の活動も、行事も、遊びも、保育教材や玩具なども、しっかり理由付けをすることをお願いしています。子どもたちが主体性をもってとにかく遊び始めるのは良いですが、クラスの活動が「なんとなく」や目的や目標なく行われることはNGということです。子どもたちにどのような経験を提供したいのか、なぜその活動を行い、なぜその教材や玩具を与えるのか、そこには意味があるはずです。
例えば、私は保育園に玩具が少なかったり、壊れてきている物も多かったので、ある時、玩具の買い出しに行きました。そこで、年齢に合った玩具をたくさん買ってきましたが、一つルールを自分で設けました。それは、武器になるような玩具は買わない、ということです。例えば、剣や鉄砲のようなものです。高砂保育園はキリスト教保育を大切にしています。命の尊さや平和の大切さを子どもたちに日頃から伝えています。それなのに、人を傷つけたり人を殺める武器を子どもたちの手に持たせることはしたくないのです。なので、保育の中でも武器になるような物を作らせたり、暴力的な遊びはさせず、平和について考えることを大切にしています。そのように保育園が何を大切にしているのか、子どもたちに何を教えていくのかも意味付けが大事なのです。
私は保育士として働いた経験がないので、保育園の園長になった時にさまざまな活動、行事の理由や意義について職員に何度も質問をしました。質問をして驚いたのが、そこにあまり大きな理由がなかったり、「毎年やっているから」、「いつもやっていたから」という答えが多かったのです。保育はなんとなくでも時間は流れていきます。しかし、子どもたちになんとなくの時間を過ごさせるのではなく、子どもたちの主体性から何が生まれるのか、子どもたちの興味やブームを保育士がしっかり受け取って、それをどういうクラスの活動につなげていくのか、目標や目的意識を持って子どもたちに向き合った時に、クラスとして、また一人ひとりがどのように成長していくのかを間近で見れる、見守れるのが保育園で働く者の醍醐味だと思っています。そのような保育を行うことで、保育園の職員も子どもたちと共に成長していくことができるのです。そういう働きって素晴らしいですし、とても楽しいはずです。
また、子どもたちが同じクラスの子はもちろん、年齢が違うクラスの子とも仲良く遊ぶことができるようになっていくのも高砂保育園ならではの良さだと思っています。もちろん、時にケンカをすることやトラブルが起こることもありますが、いろいろな子と遊べることはとても大切なことです。一緒に遊ぶ時、相手を受け入れることが必要になります。高砂保育園にはいろいろな国籍の子もいますが、肌の色や言葉の違い、またいろいろな性格や特性があっても、子どもたちの心が育まれているため、子どもたちがいろいろな友だちと遊ぶことを楽しんでいます。そのような力が育まれているのは、各家庭で子どもたちが愛情を注がれていることはもちろん、保育園の職員も少人数保育の中で子どもたち一人ひとりにしっかり向き合い、ゆっくりとした時間の中で、子どもたちと一緒に歩んでくれているからこその成果だと思っています。もちろん、まだまだ高砂保育園にも至らない部分、足りない事もあると思っています。なので、職員一同、向上心を持って子どもたち、保護者の皆さんの声や思いに耳を傾け、子どもたち、保護者やご家族、地域の皆さま、職員でより良い保育園をつくっていきたいと思っています。
高砂保育園に興味がある方、保育園をお探しの方、子どもの心を育みたい方、子どもに無理なくいろいろな経験をさせてあげたい方、一緒に子育てをする仲間がほしい方など、いつでも見学や保育園についてご案内できます。また毎日、園庭開放も行っています。お気軽に保育園までご連絡をいただければと思います。
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